サポート校とは?通信制高校との違いや利用の判断基準
公開日:2018年02月09日 更新日:2024年12月12日

サポート校とは、通信制高校に通う生徒を学業面や生活面でサポートする教育機関です。通信制高校へ通う生徒が、学校と合わせて利用するため、サポート校のみでは高卒資格を取得できません。 ただし、個別の学習指導やスクールカウンセラーによる生活面での相談など手厚い支援が受けられるため、生徒がより楽しく高校生活をおくるための助けとなるでしょう。 この記事では、サポート校の特徴や通信制高校との違い、メリット・デメリットについて解説します。
- 通信制高校とは?
- サポート校とは?
- サポート校と通信制高校との違い
- サポート校を利用するメリット
- サポート校を利用するデメリット
- サポート校を利用すべきかどうかの判断基準
- サポート校について「よくある質問」
- まとめ
通信制高校とは?
全日制高校は、決まった時間に登校して集団で授業を受けますが、通信制高校は、自宅でのオンライン授業や自習によって学習を進めます。通信制高校も学校に登校するスクーリングがありますが、月に数回程度で、自宅学習がメインです。
通信制高校は国が定めた学習カリキュラムに沿って授業が行われ、下記の条件を満たすことで卒業できます。
- 学校に3年以上在籍する
- 74単位以上を修得する
- 30単位時間以上の特別活動を行う
特別活動には、ホームルームや学校行事などがあり、出席することで単位を修得できます。特別活動の活動内容については、学校によって異なります。
通信制高校について詳しく知りたい人は、『通信制高校とは?カリキュラムや全日制との違いをわかりやすく解説!』で解説していますので、あわせてお読みください。
サポート校とは?
サポート校は、通信制高校の生徒を学習面や生活面などからサポートするための教育機関です。具体的には、単位修得のための学習支援や、学校生活での悩みを相談するためのカウンセリングなどを実施します。
サポート校は、民間の学習塾や学校法人により運営されることが多く、私立の通信制高校の中には、サポート校と連携している高校もあります。
ただし、学校ではないため、サポート校だけでは高卒資格を取得できない点に注意が必要です。
サポート校と通信制高校との違い
通信制高校とサポート校の違いについて、解説します。
役割
通信制高校とサポート校は、どちらも生徒の学力や生活を支えるという点では共通しています。しかし、目的や役割が異なります。
通信制高校
通信制高校の目的は、生徒が高卒資格を取得するために、高校卒業時と同等の学力を付けることです。通信制高校を卒業することで、高卒資格が取得できます。
サポート校
サポート校の目的は、生徒が通信制高校を卒業するための、学習・生活面でのサポートです。そのため、サポート校のみでは高校を卒業したことにはなりません。
通信制高校では、レポートの提出やテストに向けた勉強など、自分でスケジュールを立てる必要があります。自己管理能力が求められるため、途中で挫折する生徒もいるでしょう。
サポート校で学習面や生活面などを支援してもらうことで、挫折せず卒業しやすい環境を作ることができます。
学費
通信制高校とサポート校は、どちらも入学金・授業料・諸費用がかかります。それぞれ、3年間でかかる費用相場は下記のとおりです。
- 通信制高校(公立):約90,000円
- 通信制高校(私立):約112万~126万円
- サポート校(週1コースの場合):約111万~172万円
サポート校を利用する場合は、通信制高校の学費に加えてサポート校の費用が発生します。サポート校を利用したほうがよいか、生徒自身とよく相談しましょう。
通信制高校の学費について詳しく知りたい人は、『通信制高校の学費は安い?3年間でいくらかかるか全日制・定時制高校と徹底比較』で解説しているので、あわせてお読みください。
運営体制
通信制高校とサポート校とでは、運営体制が異なります。通信制高校は、学校教育法により認可された教育機関で、自治体や学校法人が運営している場合がほとんどです。
一方サポート校は、学校法人が運営している場合もありますが、学習塾や民間の企業が運営している場合もあります。
通信制高校は教育法により認可された学校であるのに対し、サポート校は学校ではありません。サポート校のみでは高卒資格が取得できないため注意が必要です。
サポート校を利用するメリット
通信制高校と合わせてサポート校を利用するメリットについて解説します。サポート校を利用する際は費用が発生するため、生徒にとって本当に必要かどうか見極めたうえで、判断しましょう。
主要科目以外に興味のあるカリキュラムを選べる
サポート校では、通信制高校で学ぶ主要科目以外にも、さまざまなカリキュラムが用意されています。
たとえば、サポート校には次のようなコースが用意されている場合があります。
- IT・プログラミングコース
- ネイルやヘアメイクなどの美容コース
- 芸能コース
- スポーツコース
サポート校の授業カリキュラムは、ある程度生徒が自由に決められるため、自身の興味に合わせてカリキュラムを選んだり、スキルを身に付けたりできるでしょう。
コースによっては、将来の仕事に活かせるスキルが身に付けられるため、早い段階から好きな分野での即戦力となれる可能性があります。
個別での学習サポートが受けられる
サポート校では、個別または少人数制の授業が行われることがあります。サポート校によっては、タブレットPCを無償提供するところもあり、端末を通じて、先生にいつでも質問することができます。そのため、授業の疑問を解消しやすいでしょう。
また、生徒が自由にカリキュラムを組めるため、苦手科目のみ集中して授業を受けることも可能です。
カウンセラーによるメンタルサポートが受けられる
通信制高校では、人間関係に悩んだり、学習スケジュールの立て方がわからなかったりと、さまざまな悩みを抱えることもあるでしょう。サポート校は、カウンセラーによるメンタルサポートが個別で受けられるところが多いです。
サポート校によっては、カウンセラーが自宅に訪問して相談にのってくれるなど、手厚いサポートが受けられる場合もあります。
人とかかわる機会が増える
通信制高校は、週1~3回または月1~2回ほどの頻度でスクーリング(面接指導)が設けられています。とはいえ、全日制の高校と比べると、人とかかわる機会は少ないでしょう。
サポート校は通信制高校よりもスクーリングが多く設けられている傾向にあるので、人にかかわる機会が増えます。
また、サポート校では、文化祭などの交流イベントも行われます。
サポート校を利用するデメリット
サポート校は学習面でも生活面でも手厚いサポートを受けられますが、以下のデメリットも踏まえて、利用を検討すべきです。サポート校を利用するデメリットについて解説します。
サポート校だけに通うことはできない
サポート校に入学する場合、必ず、連携する通信制高校に入学することになります。
通信制高校に入学せず、サポート校のみに通うことはできません。
追加費用がかかる
サポート校を利用する場合、通信制高校の学費に加えて、サポート校の入学金・授業料・諸費用などが発生します。サポート校によっては、私立の通信制高校とほぼ同額の費用がかかる場合もあるため、経済的な負担が大きいといえます。
文部科学省が提供している「高等学校等就学支援金制度」や「高校生等奨学給付金」の活用で、通信制高校の学費の負担を軽減できる場合があります。費用が心配な場合は、国の学習支援を利用して経済的負担を軽減させましょう。
通信制高校の学費を無償化する制度については、『通信制高校の学費を無償化!利用できる公的制度を徹底解説!』で詳しく解説しているので、あわせてお読みください。
生徒にあった条件や特徴でサポート校を検索するなら、「ズバット通信制高校比較」がおすすめです。サポート校をエリアで絞り込むことで、通いやすいところを比較検討できます。下記より、ぜひご活用ください。
⇒エリア別・やりたいこと別に通信制高校を検索するサポート校を利用すべきかどうかの判断基準
サポート校は、すべての生徒にとって必ずしも必要とは限りません。サポート校を利用すべきかどうかは、下記の判断基準で決めるとよいでしょう。
- 自己管理ができるかどうか
- 通信制高校の授業についていけているかどうか(単位が取れているか)
- 人とかかわる機会が取れているか
また、サポート校を検討する際は、資料を取り寄せ、説明会に参加することをおすすめします。
サポート校について「よくある質問」
サポート校において、生徒や保護者が抱くことが多い「よくある質問」と回答をまとめました。
Q.サポート校と塾・予備校との違いは?
A.サポート校と塾・予備校は、下記の点において異なります。
サポート校 | 塾・予備校 | |
---|---|---|
役割と目的 | ・通信制校を卒業するためのサポート | ・高校の授業内容を理解するためのサポート ・大学受験対策 |
提供するサポート内容 | ・学習指導 ・生活面でのメンタルサポート ・交流イベント ・主要科目以外のスキルや知識の習得 |
・学習指導 |
学習カリキュラム | ・通信制高校の学習カリキュラムに即している ・基礎的な内容が多い |
・全日制の学習カリキュラムに即している ・難易度が高い場合が多い |
高校とは別に、生徒が授業を受けて学習面におけるサポートを受ける点では両方とも同じです。利用する費用は、サポート校のほうがやや高めの場合が多いため、目的と予算に合ったところを選びましょう。
Q.サポート校にも入学試験がある?
A.はい。サポート校によっては、入学試験が設けられているところがあります。しかし、内容は書類選考や面接の場合がほとんどで、基礎的な学力が問われる筆記試験は少ないです。
サポート校は、通信制高校に通う生徒の学習サポートが目的です。筆記試験があったとしても、難易度は比較的やさしめで、学習意欲があれば問題ない場合が多いでしょう。
まとめ
サポート校とは、通信制高校に通う生徒が補助的に利用する教育機関であり、学習面の指導や、生活面における不安の相談などのサポートが受けられます。
また、サポート校によってはさまざまなイベントを開催しており、教師やほかの生徒と交流する機会も増えるでしょう。サポート校は追加で費用がかかるため、生徒にとってサポート校が必要かどうか、慎重に判断しつつ決めましょう。
サポート校は、自宅から通いやすいよう地域で絞って検索する方法がおすすめです。「ズバット通信制高校比較」ならば、サポート校がエリアで検索できます。下記よりぜひご活用ください。
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