【データで見る】高校を中退した理由と中退後の進路
公開日:2018年02月14日 更新日:2018年02月14日
「いま通っている学校が合わない」「成績不振で学校を辞めさせられるかも」などと悩んではいませんか。そんな皆さんにお伝えしたいのは、必要以上に高校中退を怖がる必要はないということ。もし高校をやめたとしても、そこからやり直すことができるからです。ここでは、高校中退の理由と中退率、その後の進路について紹介します。
高校中退からでもリカバリーできる!
高校中退といっても、いま在籍している学校を辞めるだけのこと。別の高校へ移ってしまえば、これまで通り、高校生活を続けることができます。
別の高校に入り直すといっても、難しく考える必要はありません。例えば、通信制高校では年に数回程度、高校中退者からの受け入れを行っています。気軽に問い合わせてみましょう。
また、高校に通わなくても、高卒認定試験に合格すれば大学や専門学校に進学できます。高校を中退したあとにブランクの期間があったとしても、努力次第で同年齢の人と同じタイミングで大学に入学できる可能性が開けているのです。
高校中退からリカバリーする方法はいくらでもあります。落ち込んだり、ふてくされたりして、貴重な時間を無駄にするまえに情報収集を急ぎましょう。
高校を中退した理由と中退率
文部科学省が統計を行った「平成30年度 児童生徒の問題行動等生徒指導上の諸問題に関する調査」結果によると、平成30年度の高校中退者数は4万8,594人、高校中退率は1.4%にもなります。
中退する理由としては「進路変更」が最も多く、全体の35.3%を占めており、次に多いのは「学校生活・学業不適応」で34.2%となっています。
■事由別中途退学者数
事由 | 人数 | 割合 |
---|---|---|
進路変更 | 17,155人 | 35.3% |
学校生活・学業不適応 | 16,622人 | 34.2% |
学業不振 | 3,771人 | 7.8% |
病気、けが、死亡 | 2,107人 | 4.3% |
家庭の事情 | 2,054人 | 4.2% |
問題行動等 | 1,826人 | 3.8% |
経済的理由 | 988人 | 2.0% |
その他の理由 | 4,071人 | 8.4% |
「進路変更」と「学校生活・学業不適応」について、それぞれの内訳を見てみましょう。
■「進路変更(17,155人)」の内訳
事由 | 人数 | 構成比 |
---|---|---|
別の高校への入学を希望 | 7,764人 | 16.0% |
就職を希望 | 4,721人 | 9.7% |
高卒程度認定試験受験を希望 | 1,580人 | 3.3% |
専修・各種学校への入学を希望 | 615人 | 1.3% |
その他 | 2,475人 | 5.1% |
■「学校生活・学業不適応(16,622人)」の内訳
事由 | 人数 | 割合 |
---|---|---|
もともと高校生活に熱意がない | 5,824人 | 12.0% |
人間関係がうまく保てない | 3,488人 | 7.2% |
学校の雰囲気が合わない | 2,511人 | 5.2% |
授業に興味が湧かない | 2,020人 | 4.2% |
その他 | 2,779人 | 5.7% |
出典:文部科学省「平成30年度 児童生徒の問題行動等生徒指導上の諸問題に関する調査」
これらの結果からわかるように、高校中退はそれほど珍しいことではありません。そして、「今の学校になじめない」と感じているのも、自分だけではないのです。
高校中退してからの進路
高校を中退してからの進路には、就職と進学があります。ただし、高校中退の場合、最終学歴は中卒になり、就ける仕事の選択肢は狭まってしまいます。将来の可能性を広げるためには、高校を卒業し、できればその先の大学や専門学校にまで進んでおいたほうがいいでしょう。
まず、ほかの高校に入り直し、高校卒業資格を得てから、大学や専門学校に進学する方法があります。高校は全日制だけではありません。定時制もあれば、通信制もあります。それぞれの特徴については、下の表にまとめました。参考にしてください。
■中退から選択できる進学の種類
全日制高校 | おもに学年制を採用。学年ごとに定められた学習が身に付いたと判断されると、上の学年に進むことができる。3年で卒業。転入、編入を受け入れることはあまりない |
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定時制高校 | 単位制が主流だが、学年制も少なくない。昼や夕方から授業が始まる。1日の授業時間が少なく、学年制だと卒業に4年かかる。転入、編入をよく受け入れている |
通信制高校 | ほとんどの学校で単位制を採用している。自宅学習が基本で、あまり登校することなく卒業できる。卒業には最低でも3年かかる。転入、編入をよく受け入れている |
海外留学 | 海外の高校に通って卒業を目指す。国によって制度が異なるので注意が必要。基準を満たせば、日本の大学や専門学校に進学できる。帰国子女枠で大学に入学することも可能 |
高卒認定試験 | 試験に合格することで、大学や専門学校へ進学する資格が得られる。進学しなかった場合、最終学歴は中卒になる。高校で単位を修得していると、科目が免除になることがある |
高等専修学校 | 学年制を採用。専門知識や技術を学び、スペシャリストを目指す。コースによって、1~3年制がある。通信制高校と同時に入学することで高卒資格を得られる学校もある |
また、転校先は、日本の高校と限りません。思い切って海外の高校に留学し、これまでの環境を一変させて新規にやり直すこともできます。大学に進学する際も、帰国子女枠を設けている大学であれば、通常の入試より入学しやすいのが一般的です。
また、特定の分野のスペシャリストを育成する高等専修学校に進学するのもいいでしょう。専門知識や技術があると、就職で有利に働きます。高等専修学校は中卒でも入学できますし、大学入学資格付与指定校であれば大学に進学できます。また、通信制高校と同時に入学し、卒業すると高校卒業の資格が得られる学校もあります。
また、高卒認定試験に合格すれば、学校に通わなくても大学に進学する資格が得られます。
高校を中退しても、まだたくさんの選択肢があるのです。それらの中でも、おすすめなのが通信制高校です。その理由は「通信制高校の入試は、書類選考と面接が基本で入りやすい」「積極的に高校中退者を受け入れている」からです。
ただし、通信制高校といっても、学校によってさまざまな特徴があります。資料を取り寄せて、いくつかの学校を比較してみましょう。気になる学校があれば、オープンキャンパスや説明会へ足を運んで雰囲気を知ることが大事です。学校の先生に直接、悩み相談をすることができますし、どういったサポート体制があるのかを知ることもできます。