高校中退の理由とは?具体的な原因や対応方法を紹介
公開日:2018年02月14日 更新日:2025年02月07日

「高校を中退したい」と考えるのには、どんな理由があるのか知りたい人もいるでしょう。 高校を中退したい人の多くは、進路を変えたい、学校生活になじめないと感じる、成績が上がらず困るなどを理由にあげています。 また、ほかにやりたいことができたり、授業についていけなかったりすることもあるようです。 ここでは、高校を中退する理由で多いものや、学校をやめたいと思ったときの対応方法を紹介します。
高校を中退する理由は

出典:文部科学省「令和5年度の児童生徒の問題行動や不登校などの生徒指導上の諸課題に関する調査結果」をもとに作成
文部科学省の調査によると、中退した理由で多いのは「進路変更」で、全体の41.3%を占めています。
進路変更の内訳を見ると、就職を希望する人が多く、次いで別の高校への入学を希望する人が多くなっています。
なお、全体の中退理由として2番目に多いのは、「学校生活・学業不適応」で34.2%でした。
中退の理由が必ずしもネガティブなものとは限らないものの、何らかの事情で悩みを抱えて中退を選択するケースが多いことがわかります。
【理由別】高校を中退したいと思ったときの対応方法
前述の通り、高校を中退する理由は人によって異なります。もし、自分自身が同じような境遇に置かれた場合、どう対応していけば良いのでしょうか。
以下、理由別に対応方法を紹介します。
- ほかにやりたいことができた
- 授業についていけない
- 人間関係や学校の雰囲気になじめない
ほかにやりたいことができた
はっきりした夢や目標ができて、そのために時間を使いたいという理由で高校を中退するケースがあります。高校に行く時間がもったいないと感じ、ほかのやりたいことに打ち込みたいと強く思うこともあるでしょう。
その場合には、時間をある程度自由に使える通信制や定時制の高校など、自分のライフスタイルに合った学校へ転入するのがおすすめです。通信制や定時制の高校であれば、高校卒業に向けた学習をしながら、自分の夢や目標のための時間をしっかりと取ることができます。
特に、通信制高校であれば学校に毎日通う必要がなく、自分のペースで学習を進めることができます。
また、通信制高校には、専門分野を学べるコースを設けている学校もあります。例えば、美容・ファッション・デザイン・スポーツ・プログラミング・音楽・調理・福祉など、幅広い分野のコースがあり、将来の目標に合わせた学習が可能です。
こうした専門コースで学ぶことで、高校卒業資格を取得しながら、将来のキャリアにつながるスキルや経験を身につけることができます。
なお、通信制高校への転入については、『通信制高校への編入と転入の違いを解説!注意点から判断ポイントまで紹介』を参考にしてください。
授業についていけない
授業についていけなくなると、「学校をやめた方がいいのかな」と考えてしまうこともあるでしょう。厳しい高校受験を乗り越えたものの、入学後に授業についていけなくなると、その気持ちは強くなるかもしれません。
特に進学校や進学コースがある高校では、授業についていけず、不安を感じることもあります。国公立大学などを目指して猛勉強しているクラスメイトがいる中で、自分だけモチベーションが下がってしまうこともあるでしょう。
授業についていけないと感じる場合は、家庭教師や個別指導塾を利用するのも1つの方法です。
学校の先生に質問しにくいと感じることがあっても、家庭教師や個別指導塾なら、一対一でしっかりとサポートを受けられます。そこで自分の疑問をじっくり解消し、苦手を克服することができるでしょう。
特に家庭教師であれば、自宅で学習ができるため、よりリラックスして学習を進められる可能性もあります。
人間関係・学校の雰囲気になじめない
高校で新しい友だちがなかなかできなかったり、担任の先生と合わなかったりすることで、学校に行きづらくなり高校を中退したいと考える人もいるでしょう。
また、校則や校風が自分に合わないと感じることもあります。校則が厳しいと、学校自体が嫌になることもあるでしょう。
その場合は、自分に合わない環境に無理になじもうとせず、自分が安心できる環境を大切にするのも1つの方法です。
例えば、学校で新しい友だちができないのであれば、無理に作ろうとせず、幼馴染や中学の同級生、共通の趣味を持つ友人との関係を大事にしましょう。
また、学校の雰囲気になじめないと感じたり、人間関係によって居心地が悪くなったりしたら、無理して学校に行き続ける必要はありません。まずは1日だけ学校を休んでみるなど、一度居心地の悪い環境から離れてみるのも選択肢です。
高校を中退した後の選択肢
どうしても高校をやめたいと考えるのであれば、定時制高校や通信制高校への転校や、高卒認定試験の受験などを考えてみてもいいでしょう。
いまの高校に通い続けることだけが正解ではありません。高校を中退したとしても、さまざまな選択肢があることを知っておきましょう。
なお、高校を中退した場合の影響や選択肢については、『高校を中退したらどうなる?その後の影響や選択肢を解説』も参考にしてください。
就職活動で高校中退の理由を聞かれたら?
高校を中退していると、「挫折した」などのネガティブな印象を持たれるのではないかと心配になることもあるでしょう。
しかし、前述の通り、高校を中退する理由は、決してネガティブなものとは限りません。「やりたいことがある」などの前向きな理由で中退する場合もあります。企業もそのことを理解しているので、高校を中退しているからといって不安に思うことはありません。
仮に就職活動の面接で嘘をつき、そのことが判明すると、内定が取り消されることもあります。聞かれたことに正直に答えるようにしましょう。
以下のような点を答えられるようにしておくとよいでしょう。
- 高校を中退した理由
- 高校を中退したことをどう考えているか
- 高校を中退したことが自分の成長につながったか
まとめ
高校を中退する理由は人それぞれですが、進路を変更したい、学校生活になじめない、授業についていけないなどが多い傾向があります。新しい夢を見つけたり、授業についていけないと感じたりすると、いまの高校をやめて別の選択肢を選びたくなることもあるでしょう。
その場合は、定時制や通信制高校への転校も1つの選択肢です。特に、通信制高校であれば、決められた場所に通学する必要がなく、自分のペースで学習を進められます。
自宅で落ち着いて学びたい人や、専門分野にチャレンジしたい人は通信制高校も考えてみましょう。
通信制高校について詳しく知りたい人は、『通信制高校とは?カリキュラムや全日制との違いをわかりやすく解説!』を参考にしてください。