不登校の原因は何がある?原因不明でやってはいけないことも解説!

子どもが不登校になった場合、親としては、できるだけすぐに原因を明らかにして問題を解決し、少しでも早く学校に行けるようになって欲しいと願います。しかし、不登校の原因は複雑で、学校生活、人間関係、家庭環境、心身の問題などさまざまな要因が絡んでいます。この記事では、不登校の主な原因を解説し、それぞれの原因に対する具体的な対処法を紹介します。

【独自調査】学校に通えなくなった理由

ズバット通信制高校比較では、「通信制高校の比較・検討」に関するアンケート調査を実施しました。その中で、不登校経験者に学校に通えなくなった理由について質問した結果が以下の通りです。

学校に通えなくなった理由として最も多かったのが、「病気・体調不良・メンタル不調」(60.0%)でした。2番目に多い「学校の制度・雰囲気ミスマッチ」(34.3%)と比べても倍近い割合です。

不登校の主な9つの原因と対処法

不登校の原因はさまざまです。ここでは主な原因を9つ紹介します。

  • 人間関係(集団生活が苦手・いじめなど)
  • 教師との不和
  • 学業不振
  • 無気力
  • 非行や遊び
  • 家庭環境(家族の不和・経済的問題など)
  • 甘えたがり
  • 神経症
  • 発達障害

人間関係(集団生活が苦手、いじめなど)

不登校の原因として一般的なのが、人間関係の問題です。集団生活への不適応やいじめなどが挙げられます。

集団生活が苦手な子供は、ほかの子供たちとの協調やコミュニケーションが難しく、ストレスを感じがちです。このような状況では、子供の意見を尊重しながら、彼らのコミュニケーションスキルを育てる支援が必要です。

また、いじめを受けている場合は、学校や教育機関と連携を取り、早急な対応を行うことが重要です。

教師との不和

教師とのトラブルも不登校の原因のひとつです。教師とのコミュニケーション不足や、指導方法が合わない場合、子供は学校に対して不信感を抱きます。

このような状況では、教師との関係改善を図ることが必要です。親が積極的に学校に働きかけ、子供の状態を伝え、学校と協力して解決策を見つけることが有効です。

また、スクールカウンセラーが間を取り持ち、問題解決に向けた相談を行うことも役立ちます。

学業不振

学業不振は、不登校の原因として多く見られる問題です。授業内容が理解できない、学業成績が低いなどが原因で、子供は自己評価を低くしがちになり、学校へ行く意欲を失います。

この場合、家庭での学習サポートを強化し、塾や家庭教師に頼ることが考えられます。また、子供の学習スタイルやペースに合わせた指導方法を見つけることが大切です。

学校との連携を強化し、子供の個別の学習計画を立てることも効果的です。

無気力

無気力による不登校は、子供の精神的な問題が深く関わっていることが多いです。何事にも興味を持てない、将来に対する不安が強いなどが原因です。

このような場合、子供の興味や関心を引き出すための活動を見つけることが必要です。スポーツや趣味を通じて自己肯定感を高め、生活のリズムを整えることが重要です。

また、心理療法やカウンセリングを受けることで、子供の気持ちを理解し、無気力感を改善する手助けができます。

非行や遊び

不登校の原因として非行や遊びが挙げられる場合もあります。特に思春期の子供が、親や教師の監督から逃れるために、学校を避けるケースが見られます。

このような場合、親子の信頼関係を見直し、コミュニケーションを強化することが大切です。

子供が非行を行う背景には、家庭環境や友人関係の問題が潜んでいるため、これらの要因をしっかりと把握し、適切な対応を取ることが求められます。

家庭環境(家族の不和・経済的問題など)

家庭環境が不登校の原因となることも多く見られます。家族の不和や経済的問題等がその一因です。家庭内にトラブルがある場合、子供は学校に行く意欲を失いやすくなります。

このような場合、家庭内のコミュニケーション改善や、経済的支援を受ける方法を模索することが重要です。さらに、家庭環境を見直し、子供が安心して過ごせる居場所を作る努力が求められます。

甘えたがり

不登校の原因として、甘えたがりという性格が影響する場合があります。子供が家庭内で過度に甘えることにより、学校に行く意欲を失うことがあります。

このような場合、子供には自己管理能力を育てるための環境を整えることが重要です。小さな成功体験を通じて、自己肯定感を高める努力が必要です。

親が適度な距離を保ち、子供が自立するためのサポートを行うことも大切です。専門家の助言を得ることで、親の対応を見直し、子供の気持ちを理解することができるようになります。

神経症

神経症による不登校も見られることがあります。子供が過度な不安や恐怖を感じる場合、外出や学校生活が困難になることがあります。

このような場合には、心理療法やカウンセリングを通じて、子供の心の状態を改善する手助けが必要です。親は子供の不安を理解し、安心感を提供する環境を整えることが求められます。

また、定期的な医療専門家のチェックを受けることで、神経症の症状を管理し、適切な治療を行うことが重要です。家族全員が協力して、子供の心の負担を軽減する努力を行うことが大切です。

発達障害

発達障害が不登校の原因となることもあります。コミュニケーションの困難さや学習の遅れが影響し、学校生活に馴染めない場合があります。

このような場合、専門的な診断と対応が必要です。発達障害の子供に対応するために、特別支援教育を受けることが効果的です。

また、家庭内での支援も重要で、子供の特性に合わせた育児方法を模索することが求められます。スクールカウンセラーや専門機関の助けを借りながら、子供の成長をサポートし、安心して学校に通える環境を提供することが大切です。

年代別の原因で多いのは?

年代別に不登校の原因は異なることがあります。小学生、中学生、高校生それぞれに特有の要因が存在し、適切な対策が求められます。

小学生の場合

小学生の不登校の原因は、多岐にわたりますが、特に人間関係が大きな影響を与えることが多いです。

いじめや友達とのトラブルが原因で学校に行きたくなくなるケースがよく見られます。また、教師との関係がうまくいかず、不登校になる場合もあります。

家庭環境も小学生の不登校に関与します。親の離婚や家庭内の不和、経済的問題がストレスとなり、学校に行くのが難しくなることがあります。

さらに発達障害や神経症といった心身の問題も、不登校の要因となり得ます。これらの原因に対しては、スクールカウンセラーやフリースクールなどの支援サービスの利用が推奨されます。

親としては、子供の心の声に耳を傾け、無理をせずに学校以外の選択肢を提供することが重要です。

中学生の場合

中学生の場合、不登校の原因として学業不振が大きな割合を占めます。中学校では学業が本格化し、成績のプレッシャーを感じる子供が多いです。このプレッシャーが原因で学校に行けなくなることがあります。

また、思春期であるため、人間関係も複雑になり、いじめの問題も深刻です。教師との不和や、学校全体の雰囲気に馴染めないことも原因となります。

家庭環境も重要です。親子のコミュニケーション不足や経済的問題がストレスの原因となり、学校に行きたくなくなることがあります。

中学生の場合は、自分の時間を大切にし、興味のある活動を通じて自信を取り戻すことが効果的です。また、親としては子供の話をよく聞き、心の状態を理解する努力をすることが求められます。

高校生の場合

高校生の不登校の原因は、進路の悩みが大きな要因となります。将来への不安や進路選択のプレッシャーが重くのしかかり、学校に行く意欲を失うことがあります。また、学業の負担がさらに増し、勉強へのモチベーションが低下することも原因となります。

高校生になると人間関係もさらに複雑化し、対人トラブルや、友人とのわずかなすれ違いが不登校に繋がることがあります。

家庭環境も影響します。高校生は親からの独立心が芽生える時期ですが、家庭内の問題に巻き込まれると大きなストレスを感じることになります。

高校生の場合は、自分の進路に対する明確なビジョンを持ち、自分に合った学びのスタイルを見つけることが不可欠です。親は子供の自主性を尊重しつつ支援を続けることが大切です。

原因不明の時にやってはいけないこと

不登校の原因が明確でない場合、親や教育関係者が注意すべき点がいくつかあります。

まず、無理に学校へ行かせることは避けるべきです。子供が何かしらのストレスや不安を抱えている可能性が高く、強制的に通学させることで、さらに問題が悪化することがあります。

次に、原因を特定しようと焦らないことが重要です。急いで原因を探ろうとするあまり、子供にプレッシャーをかけると、子供自身が親に対して心を開きづらくなることがあります。時間をかけて話を聞くことで、子供は徐々に安心感を持つことができます。

さらに、親自身の感情のコントロールも大切です。不登校に対する不安や心配から親が感情的になると、家庭内の雰囲気が悪化し、子供の心に悪影響を与えることがあります。冷静に対応するためには、スクールカウンセラーや不登校支援団体の助けを借りることも考慮すべきです。

最後に、過度に責任を感じることなく、原因が分からない場合は専門家の意見を求めることが推奨されます。

まとめ

不登校の原因とその対処法について詳しく解説しました。不登校の原因は多岐にわたり、人間関係、家庭環境、学業不振など、それぞれの背景や状況に応じたアプローチが必要です。

また、年代によっても原因が異なるため、小学生、中学生、高校生といった年代ごとに特徴を理解し、それに応じた対応を行うことが求められます。

原因不明の場合でも落ち着いたアプローチが重要で、無理に学校に通わせることは避けるべきです。それよりも、子供の話をよく聞き、親としてできるサポートを行う姿勢が大切です。

■アンケート調査概要

・調査方法:Webアンケート

・調査対象:「ズバット通信制高校比較」ユーザー

・回答期間:2025年6月26日~7月1日

・回答件数:148件