中卒より高卒を。不登校からリカバリーできる高校選び

不登校のために、高校へ進学しなかったり、中退したりしまうと、最終学歴は中卒です。高校は義務教育ではありませんが、中卒と高卒とでは、進学や就職で選べる進路の幅がまったく違います。中卒と高卒の違いや不登校でも高卒資格を得る方法について紹介します。

中卒は就職や進学で不利になる

いま、中学校を卒業すると、98%以上が高校へ進学しています。そういう時代に、最終学歴が中卒なのは、さまざまな場面で不利になることがあります。

中卒と高卒の生涯年収の差

2016年度の高校生330万9,342人のうち、49,001人が同年度に中退しました。これは、高校へ入学したものの、49,001人が中卒として社会に出たことを意味します。

また、同年度の中学校卒業者数は、116万9,415人。このうち全日制、定時制、通信制を問わず、いずれかの高校へと進学したのは115万4,373人。残りの15,042人(死亡者を含む)は、就職や高卒資格の得られない学校へ進学、あるいは無職やニートとなり、最終学歴が中卒のまま社会に出ています。

『ユースフル労働統計-労働統計加工指標集2016-』(独立行政法人労働政策研究・研修機構)によれば、2014年の学歴別生涯賃金は、中卒者でおよそ2億2,280万円、高卒者でおよそ2億4,490万円と公表されています。

■学歴別・男性の生涯賃金(2014年)

最終学歴 生涯賃金
中学卒 2億2,280万円
高校卒 2億4,490万円
高専・短大卒 2億5,520万円
大学・大学院卒 3億2,030万円

『ユースフル労働統計-労働統計加工指標集2016-』(独立行政法人労働政策研究・研修機構)

中卒者と高卒者との生涯賃金の差は、およそ2,210万円。この差を大きいと感じるか、小さいと感じるかは人それぞれですが、中卒で収入を上げたいのならば、早く職に就いて勤続年数を長くするより、3年かかっても高卒の資格を取るほうが、結果的に多い賃金を得ることできます。

中卒では好きな道に進みにくい

ハローワークや転職情報サイトで求人情報を探すとき、中卒は「学歴不問」、高卒は「高卒以上」を条件にします。学歴不問とは文字通り、転職希望者の学歴を問わない募集のことです。

雇用側が高卒以上あるいは大卒以上を条件にする理由はさまざまですが、そのひとつに、雇用後も勉強を続けてもらうため、学ぶ力を有した人材を欲していることが挙げられます。

専門の資格や技術を習得したい場合、専門学校に入学し、学習するのが最も近道ですが、専門学校への入学は、高卒以上あるいは高卒認定(高等学校卒業程度認定)に資格が必要です。大学も同様です。

中卒で正社員やアルバイトとして働きつつ、いずれ条件の良い会社や、好きな分野の会社へと転職したいと考えているのなら、働きながらでも高校卒業の資格を取得できる定時制や通信制の高校へ入学して、備えたほうがいいでしょう。

不登校から通信制高校で復帰

「また不登校になるかもしれない」「通学を再開する自信がない」など、さまざまな不安を抱え、高校へ復帰する勇気を持てない人がいると思います。

そんな人には、不登校から高校や社会への復帰を果たす、その第一歩として、通信制高校への入学(編入、転入)がおすすめです

通信制高校は、自宅学習でレポートを作成し、月に数回だけスクーリングとして学校へ登校するのが基本です。本人が希望しない限り、クラスメイトと交流する必要はありません。また、単位制を採用しているので、スクーリングができなくても留年することはなく、修得した単位を失わずに済みます。通信制高校に在学している限り、何度もでもやり直すことができるのです。

また、私立の通信制高校では、通学の日数を自分で選択できる学校があります。学校に通うことに慣れたら、通学日数を増やしてゆけます。通信制高校なら、いきなり不登校を治すのではなく、徐々に自分のペースで治すことができるのです。また、学校によっては、高校を卒業するための授業だけでなく、専門的な技術や知識を身に付ける授業を受けることもできます。

不登校からの復帰については「不登校から就職して働くには。いまからはじめる将来設計」でも詳しく解説しています。あわせて参考にしてください。

不登校のサポートができる学校を選ぼう

不登校から通信制高校への進学はおすすめですが、どんな学校でも良いわけではありません。ちゃんと、不登校の生徒のサポートができる学校を選びましょう。

中学生から勉強をやり直すこともできる

通信制高校に入学しても、勉強が苦手で、授業についてゆけるか不安を抱いている人もいるでしょう。しかし、ちゃんと自分にあった学校を選べば大丈夫です。

公立の通信制高校では、難しいかもしれませんが、私立の通信制高校なら、個々の生徒が抱えている問題を教師とともに見つけ、きめ細かなサポートを受けることができます。通信制高校によっては、小中学校でつまづいてしまったところから勉強し直し、最終的に高校を卒業できるレベルにまで学力を引き上げてくれます。

苦手な勉強を克服できれば、高校を卒業してからの進路も開けてきます。ひとりで悩んでいるより、通信制高校で教師に相談し、アドバイスを受けたほうが、早く解決できるでしょう。

不登校になる前にカウンセリングを

通信制高校によっては、専門のカウンセラーが常駐している学校があります。メンタル面などに不安を抱えている人は、そういった通信制高校を選ぶといいでしょう。

カウンセラーのいる学校であれば、月に数回のスクーリングがつらい、勉強が手に付かない、理由のない不安を感じるなど、再び不登校の兆候を感じたら、遠慮なく相談できます。

また、カウンセラーが常駐していなくても、不登校の生徒に対して、サポート体制が整っている通信制高校があります。学校説明会や相談会などの機会に、通信制高校でのサポート体制について尋ねておきましょう。