小学生で不登校になる理由は?親のNG対応や解決方法を解説します

小学生の子どもが「学校に行きたくない」と言い始めたら、困惑する人は多いはずです。不登校が長期化することを避けるために、無理やり学校に行かせる人も少なくないでしょう。ただ、強行手段をとる親の行動が状況を悪化させることもあります。そこで今回は、不登校の子どもに対して絶対してはいけない親のNG行動を紹介します。

不登校になった小学生の割合は?中学生との違い

そもそも不登校の小学生の割合はどのくらい存在するのでしょうか。ここでは、不登校になった小学生の割合や中学生との違いをわかりやすく解説します。

不登校になった小学生の割合

令和元年度の文部科学省の調査によると、不登校になった小学生は5万人を超えることがわかりました。また過去5年間における不登校の児童は増加傾向にあり、2014年には小学生の255人に1人が不登校になっているのに対して2019年は119人に1人という結果になっています。学年別に見ると、高学年になるほど不登校の児童数が増えることもわかりました。

参照:「令和元年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果について」文部科学省

小学生と中学生における不登校の違い

子どもが不登校になるピークは、一般的に中学生の頃だといわれています。小学校から中学生に進学して環境が大きく変わるタイミングですが、中学1年生における不登校生徒数は小学6年生と比べて一気に2倍も増加します。

その後、学年が上がるごとに不登校の生徒数は増え続け、中学生全体の不登校率は3.9%になっています。多くの中学生は思春期に突入する時期になるため、先生や同級生、家族など人間関係の悩みを抱えるのが大きな特徴です。

子どもが不登校になる心理や原因

子どもが不登校になる理由はさまざまですが、学校を拒否する原因は必ずあります。その原因がわかれば不登校を改善する糸口にもなるので、子どもが抱える悩みを探ってみましょう。

学校の勉強についていけない

学校の授業は、生徒一人ひとりの理解に合わせて進められるわけではありません。そのため、学校の授業ペースについていけないことが原因で不登校になる子は多いです。

また定期的に実施されるテストでは自分の実力が浮き彫りになるため、さらに落ち込んでしまうことも。その結果、「勉強ができない自分はダメだ」と自分自身を責めて、誰にも相談できないまま最終的に不登校になってしまうのです。

同級生との人間関係に悩んでいる

同級生とうまく馴染めないことが不登校の原因になることがあります。特に学校は年間を通して同じ同級生と時間を過ごすため、そのクラスの雰囲気や人間関係で学校生活の良し悪しが変わることも少なくありません。

また近年は小学生同士のいじめも大幅に増加傾向にあり、仲間はずれや無視、嫌なことを言われて学校に行きたがらない子も増えています。なかには、両親を心配させたくないと我慢して学校に行く子もいますが、状況に耐えきれなくなったときに不登校という手段を選択するのです。

発達障害の可能性がある

発達障害が原因で不登校になっている可能性があることも理解しておきましょう。発達障害の症状は子どもによってさまざまですが、集団行動が苦手だったり特定の学業が不振だったりなど不登校に至った理由の裏には発達障害が隠れていることもあります。

周囲に指摘され医療機関に相談してから初めて発達障害に気づくケースも多いです。子どもが不登校になる理由がまったく見当たらない場合は、医療機関で相談することも検討してみましょう。

不登校の小学生に対する親のNG対応

ここからは、不登校の子どもに対して絶対にしてはいけない親の対応を紹介します。知らず知らずのうちに行っていることもあるので、該当する項目がないか確認してみましょう。

無理やり学校に行かせる

不登校が長期化すると子どもの将来が不安になり、無理やり学校に行かせようとする親も少なくありません。

子どものことを思って取った行動ですが、実際は逆効果になることがほとんどです。親に自分の悩みを打ち明けられていないだけで、子どもが不登校になる原因は必ずあります。まずはその原因を解明することが大切です。

不登校の子どもを責める

学校に行きたがらない子どもに対して、決して責めてはいけません。特に小学生の時期は親からの影響を強く受けているので、学校に行けない状況を強く責められると自己肯定感が低くなり余計に学校に行けなくなってしまうのです。

不登校になった焦りや不安から感情的になる親も多いですが、子どもの気持ちに寄り添った対応が求められます。

子どもを避けて距離を置く

不登校になった子どもにどう接していいかわからず、距離を置く親も少なくありません。ただ不登校になると家中心の生活になるので、親から距離を置かれると自分の存在を無視されている気分になり、余計に殻に閉じこもってしまう子もいます。

不登校の問題に直面して困惑するのは仕方ありませんが、子どもと距離を置いても問題が解決することはありません。親子の信頼関係が崩れる原因にもなるため、距離を置くのはやめましょう。

今の学校への通学にこだわる

今通う学校への通学にこだわっていませんか?子どもの中には、学校の先生や同級生との人間関係に悩んでいる子もいます。そんな状況下で今の学校への通学を後押ししても不登校が改善されることはありません。

不登校を改善させる方法は、転校で環境を変えるなどさまざまな方法があります。そのため、今の学校への通学にこだわらずに他の選択肢も検討してみましょう。

小学生の不登校を解決する方法

ここからは、小学生の不登校を解決する方法について紹介します。不登校を改善する糸口になることもあるので、出来ることから始めましょう。

子どもの話を聞いてあげる

子どもは不登校になるほど大きな悩みやストレスを抱えています。そんなときに、感情的に論しても子どもに伝わることはありません。通学を促すよりも、まずは子どもと向き合ってじっくり話を聞いてあげましょう

子どもが話したくない様子であれば、1日に少し話すだけでも十分です。真摯に向き合おうとする姿勢を見れば、頑なな心も徐々に溶けて悩み事を話してくれるでしょう。

家庭環境や親子関係を見直す

近年は女性の社会進出が著しいので、共働きの夫婦も少なくありません。共働き自体は悪いことではありませんが、子どもと向き合う時間が取れていないなら改善の必要性があります。

また、親のどちらか一方が子どもに向き合うのではなく、両親と過ごす時間も必要でしょう。家庭環境や親子関係を見直して、自宅が子どもにとって心休まる場所になれるように環境を整えるのが大切です。

支援施設を活用する

フリースクールや家庭教師など、支援施設をうまく活用しましょう。文部科学省も注目するフリースクールは、不登校になった子どものカウンセリングを行い心のケアをしてくれる施設です。学習支援を行うところもあるので、うまく活用できれば不登校の改善も期待できます。

⇒フリースクールについて詳しく知りたい方はこちら

最後に、勉強の遅れに悩む子どもには、家庭教師を検討するのが望ましいです。勉強の成果が自分で実感できたら、学校復帰も前向きに考えられるでしょう。

まずは不登校になった原因を突き止めよう

近年小学生における不登校は増加傾向にあるため、学校に行かない子どもに悩む親も少なくありません。毎日学校に行くことを渋る子どもを無理やり学校に行かせようとする親も多いはずでしょう。

ただ、無理やり子どもを学校に行かせてもまた同じことの繰り返しになるだけです。不登校を改善したいなら、まずは子どもが不登校になった原因を突き止め、学校復帰に前向きな気持ちになれる家庭環境を整えましょう。