通信制高校の入学条件と入試の注意点(書類選考と面接)
公開日:2018年02月13日 更新日:2023年09月26日
通信制高校では、学びたい人たちのために広く門戸を開いています。しかし、入学するためには入学試験などの選考をクリアしなくてはいけません。ここでは、通信制高校に入学するために必要な条件・資格や、入学から卒業までの学校生活などについて紹介します。
- 通信制高校の入学に必要な条件 ~年齢に制限はない~
- 入試は面接重視。学校への意欲を示そう
- 通信制高校は全日制高校の入試と併願ができる
- 通信制高校の偏差値はどれくらい?
- 入学はゴールではなく高校生活の始まり。卒業までの学校生活をざっくり解説!
通信制高校の入学に必要な条件 ~年齢に制限はない~
通信制高校への入学に年齢制限はありません。中学卒業と同時に入学する人もいれば、数年から数十年の社会人経験の後に入学する人もいます。中には、還暦を過ぎてから入学する人もいるほどです。年齢も経歴もバラバラな人たちと触れあうことができる分、人間的に大きく成長することが期待できます。
通信制高校に入学するには、「中学校もしくはこれに準ずる学校を卒業した者もしくはこれと同等以上の学力があると認められていること」が条件となります。また、すでに高校を卒業している人は入学できません。
■入学資格
新入学 | ・中学校を卒業見込みの人 ・中学校を卒業した人(高校への在籍なし) |
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転入学 | 現在、他の高校に在籍中の人(休学中も含む) |
編入学 | 高校を中途退学した人 |
入試は面接重視。学校への意欲を示そう
通信制高校への入学には、試験を受ける必要があります。簡単な筆記試験をおこなう学校もありますが、書類選考・作文・面接での試験で入学できる学校がほとんどです。中学時代の内申書が良くないからといって不合格になることはありません。
書類選考や作文、面接では、おもに志望動機、やる気を問われます。高校で学びたいこと、高校の卒業資格を得たいという思い、卒業後の目標をしっかりと伝えるようにしましょう。そのためには、入学したい学校がどのような特色を持っているのかを知っておかなくてはなりません。学校から資料を取り寄せてリサーチし、面接の練習をしておくことが大切です。
書類選考・作文の注意点
学校へ提出する書類や作文は、下手でもいいので丁寧に読みやすい字で書きましょう。筆記用具はシャープペンシル(シャーペン)ではなく、黒のボールペンを使います。いきなりボールペンで書き始めるのではなく、まずはシャープペンシルなどで下書きをしてから清書していきましょう。書き終えたあとは、誤字脱字がないか見直してください。作文でよく出題されるテーマがいくつかあるので、それぞれでどのようなことを書くか、事前に軽く考えておくと良いでしょう。
通信制高校の入試の作文でよく出るテーマ
- 通信制高校に入学したら学びたいこと
- 通信制高校を志望した理由
- 将来の夢
- 自己PR
面接での注意点
面接ではいくつかの注意点があります。
- 清潔感のある服装や髪型
- 時間に余裕を持つ
- マナーに気を付ける
- 回答をあらかじめ考えておく
それぞれ詳しく解説します。
清潔感のある服装や髪型
面接では、受け答えだけでなく服装も大切です。清潔感のある服装や髪型を心掛けましょう。中学卒業後に入学する場合は、中学校の制服で大丈夫です。ただし、社会人経験を経てからの受験の場合、カジュアルな服装よりスーツなどのほうが良いでしょう。
時間に余裕を持つ
面接には時間に余裕を持って向かいましょう。電車の遅延などでどうしても遅刻してしまう場合は、すぐに学校に電話しておくと良いです。会場に着いたら面接の前に、鏡で身だしなみをチェックしてください。
マナーに気を付ける
マナーも重要なポイントです。実際の面接では背筋を伸ばして姿勢よく、はきはきと聞き取りやすい声で話すことを意識すると良いです。わからないことはあいまいに答えず、「わかりません」もしくは「少し考えさせてください」と正直に答えましょう。
通信制高校は入試で不合格になることはほとんどありません。しかし、「言葉遣いが悪い(敬語が使えない)」「返事をしない」「態度が横柄(足を組んだまま、ポケットに手を入れたまま質問に受け答えする)」など、素行が悪い場合は不合格となる場合もあります。
回答をあらかじめ考えておく
面接で何を聞かれるかは事前に知らされませんが、よく聞かれることなどの回答はあらかじめ考えておきましょう。
■面接でよく聞かれる内容 ・志望動機
・入学したらやりたいこと
・卒業後の進路
・尊敬する人
・将来の目標
・得意な科目や苦手な科目
・長所・短所
面接では緊張してしまうため、事前に答えを用意しておくと安心です。
通信制高校は全日制高校の入試と併願ができる
通信制高校への進学を決めている人もいれば、全日制高校に通いたいけれど、「偏差値が足りない」「内申書に自信がない」「不登校だったので毎日学校に通えるか不安」などの理由から、やむをえず通信制高校への進学を考えているといった人たちもいます。
全日制高校への未練があるのに、通信制高校1本に絞って受験してしまっては、あとで悔やむことになるかもしれません。そこでおすすめしたいのが、通信制高校と全日制高校の併願です。併願とは、複数の学校の入学試験を受けることをいいます。
通信制高校は滑り止めとしてキープしておいて、全日制高校の合否が出てから、どちらに進むかを考えてみるのも良いでしょう。ただし、入学手続きを行う期限は学校によって異なります。受験したい学校の入学手続きや期日も調べておきましょう。
入学時期は学校によって異なりますが4月が多く、私立では10月の場合もあります。
通信制高校の入学試験に必要な書類
通信制高校の入学試験に必要な書類は学校によって異なる場合もありますが、だいたいは以下の書類が必要です。
- 入学願書
- 卒業証明書(新入学希望者)または 在籍証明書(編入学希望者)
- 調査書(新入学希望者)または 成績証明書(転入学・編入学希望者)
- 単位修得証明書(転入学・編入学希望者)
- 住民票(学校による)
通信制高校の偏差値はどれくらい?
前述したように、通信制高校の多くは、書類選考と作文、面接で合否が決まります。書類選考や作文、面接で学力を測ることはできないため、大半の通信制高校には偏差値が存在しません。
偏差値の代わりに学校選びの基準となるのは、「高校で何をやりたいのか?重視する点は?」「卒業後にどんな道に進みたいのか?」「目標や夢を叶えるカリキュラムが充実している学校なのか?」ということです。より良い学校選びのために、まずは気になる学校の資料を取り寄せて、比較してみることから始めましょう。
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入学はゴールではなく高校生活の始まり。卒業までの学校生活をざっくり解説!
通信制高校への入学は、あくまでも高校生活の始まりにすぎません。無事に卒業資格を得るためには、日々の学習といくつかの条件を達成することが必要です。ここからは、入学したあとの学校生活について大まかにご紹介していきます。
入学
新入学の場合、4月に入学するのが一般的ですが、7月、10月、1月などに入学可能な学校も多数あります。転入や編入の場合は、随時受け入れている学校もあれば、決められた月にだけ受入れ可能な学校もあります。
普段の学校生活や学習の進め方
学校に入学したあとにはどのような学校生活が待っているのでしょうか。まずは、卒業資格を得るために必要な要素を確認しておきましょう。
- 高等学校の在籍期間が3年以上であること
- 合計修得単位が74単位以上あること
- 必修科目をすべて履修していること
- 必要な特別活動の時間を満たしていること(30単位時間以上)
通信制高校では、これらの要素を満たすための学習カリキュラムが組まれており、すべて達成すれば高校卒業資格が与えられます。「特別活動」にはホームルームや学校行事などが含まれるため、積極的に参加するようにしましょう。入学式や卒業式への参加も対象となります。
通信制高校の単位は、レポート(添削指導)を規定回数以上行い、スクーリング(面接指導)を規定の単位時間受けることで履修できます。その後、単位認定試験で学校が求める成績を達成すると、単位修得となります(単位認定試験のない科目もあります)。
■単位修得までの流れ
●レポート(添削指導)って?
レポートとは、学校からの課題を提出して添削などの指導を受けることをいいます。基本的に通信制高校では、レポートとスクーリングを繰り返すことで単位を修得します。学校によって異なりますが、レポートは自宅で行い、スクーリングのときだけ学校へ通うのが一般的な通信制高校の学習スタイルです。
●スクーリング(面接指導)って?
スクーリングの種類には、定期的に通うスタイルだけでなく、数日間集中して行われるスタイルもあります。その設定は学校やコースによってさまざまなので、自分の希望する形式でスクーリングが受けられるかどうかを予め調べておくことが大切です。
卒業
無事に卒業が決定したら、ぜひ卒業式に参加しましょう。参加しなくてもいいという学校もありますが、前述の通り単位として認定されるだけでなく、成長した姿をお世話になった先生方や家族に見せる良い機会でもあります。卒業式の様子は「【通信制高校の卒業式】潜入レポート!ルネサンス高等学校の卒業式に行ってみた」で詳しく取り上げていますので、雰囲気をつかんでみてください。