通信制高校にも受験はあるのか?受験内容や難易度について解説
公開日:2018年02月13日 更新日:2024年12月19日

通信制高校へ入学するには受験が必須と聞き、難易度や入学できるかどうか不安に感じる人もいるでしょう。 入学試験はほとんどの学校で実施されますが、メインは面接や作文で、学力の有無を測る筆記試験が行われるのはまれです。 そのため、ほとんどの通信制高校では、試験の結果によって不合格になる可能性は低いと言えるでしょう。 この記事では、通信制高校の受験から入学までの流れ、入学試験の概要や難易度、受験対策などについて詳しく解説します。
通信制高校は受験なしで入学できる?
通信制高校も、全日制高校と同様に入学試験が実施されます。しかし、通信制高校の入学試験は、全日制高校と比べて内容や難易度が異なります。
通信制高校は、「不登校や諸事情を抱えた生徒たちの受け皿となる」という考えのもと運営されているケースが多いです。そのため、入学試験は学生に勉強する意思があるかどうかを見るために行う場合がほとんどです。
通信制高校の入学試験は面接や作文が多く、高い学力の有無を問うような、難易度が高い筆記試験を出題する学校はあまりありません。
通信制高校の受験概要
通信制高校の入学試験について、下記の点をそれぞれ詳しく解説します。
- 受験の時期
- 受験資格
- 受験に必要な費用
- 受験に必要な書類
- 全日制との併願
受験の時期
受験の時期は学校により異なりますが、4月入学の場合は1~2月に実施されるケースが多いです。ただし中には、10月から入試日を設けている学校もあります。
入学・編入・転入を常時受け入れている学校もあるため、詳しい受験の時期については検討している通信制高校へ問い合わせてみましょう。
受験資格
通信制高校では、新入学のほかに転入・編入も受け入れており、それぞれの受験資格は下記のとおりです。
- 新入学:中学校を卒業している、卒業見込みであること
- 転入:現在ほかの高校に在籍中であること
- 編入:高校を中退しており、現在はどこの高校にも属していないこと
転入は現在通学している高校から別の高校へ移ることで、編入は高校を退学したあと再び入りなおすことです。
編入・転入の場合は、前籍校の在籍期間や習得単位が加味されるケースがあります。詳細は在籍校(前籍校)や入学を検討している通信制高校にお問い合わせください。
上記のほかにも、特定の障がいがある生徒のみが対象など、学校独自の基準や資格を設けているところもあります。
受験に必要な費用
通信制高校を受験するには、検定料がかかることもあります。公立は基本的に検定料が不要ですが、自治体によって50~2,000円かかることもあります。私立は1万~2万円程度かかります。
検定料を支払うタイミングは入試の出願時が多いため、忘れず用意しておきましょう。
受験に必要な書類
通信制高校を受験するには、願書を提出する必要があります。そのほか、受験に必要な書類は下記のとおりです。
新入学の場合 | 転入の場合 | 編入の場合 |
---|---|---|
・入学願書 ・中学の卒業証明書 ・調査書(成績証明書) |
・入学願書 ・高校の成績証明書 ・高校の単位修得証明書 ・生徒の転入学について(照会) |
・入学願書 ・高校の在籍証明書 ・高校の成績証明書 ・高校の単位修得証明書 |
必要な提出書類は学校ごとで異なり、場合によっては住民票が必要な場合もあります。書類の提出漏れがないよう、受験要項を確認することが大切です。
全日制との併願
通信制高校と全日制高校は、受験日が重ならなければ併願可能です。
全日制か通信制か、進学先の高校に迷っている場合は併願しましょう。ただし、高校によっては併願を認めていない場合もあるため注意が必要です。
受験を検討している学校が併願可能かどうか、希望する通信制高校に必ず確認してから出願しましょう。通信制高校によっては、併願する場合に、合格後の学費納付を留保した状態にできるケースがあります。
通信制高校の受験から入学までの流れ
通信制高校の受験から入学までの流れは、下記のとおりです。
- 通信制高校の見学や説明会へ参加
- 願書を提出する
- 入学試験を受ける
- 合格発表
- 入学手続き
- 入学
通信制高校は、入学時期が4月と10月に設けられている場合が多く、学校によっては時期が異なったり随時受け付けていたりすることもあります。
通信制高校の入学時期が4月の場合は、出願期間が11~3月に設けられていることが多いです。
通信制高校の入学試験の難易度
通信制高校の入学試験の内容や、難易度について解説します。
入学試験の難易度は高い?
通信制高校の入学試験は、難易度が低い場合がほとんどです。理由は、通信制高校と全日制高校では入学試験を行う目的や考え方が異なるためです。
全日制高校は、勉強する意思があることを前提とし、学力によって受験生を選抜するために行います。一方で通信制高校は、勉強する意思があるかどうかを見るために行う場合がほとんどです。
また通信制高校は、進学を考えている生徒をできるだけ多く受け入れる、という考えにもとづいて試験を実施します。そのため、筆記試験を実施せず、面接や書類選考のみという通信制高校が多いです。
受験対策は必要?
通信制高校の入学試験は、難易度が低い傾向にありますが、受験対策はしておいたほうがよいでしょう。
受験対策をすることで、受験当日にあわてなくて済みます。たとえば、志望理由や将来の夢、中学でがんばったこと、高校でがんばりたいことなど、面接で聞かれそうなことをリストアップして答えられるようにしておくとよいでしょう。
学科試験を実施する場合、国語・数学・英語の3科目のみの学校が多いです。ただ、学力試験の結果で合否を判定されることはほぼありません。不安な場合は、中学校の教科書の内容を復習しておきましょう。
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通信制高校の入学試験内容と対策
通信制高校で実施される入学試験の具体的な内容について解説します。
通信制高校では主に下記3種類の試験が実施されます。
- 面接
- 作文
- 学科試験
面接
通信制高校の入学試験で実施される面接は、先生・生徒・保護者の3人で行うことが多いです(場合によっては先生と生徒のみ)。面接では、主に下記の質問をされます。
- 志望理由
- 将来の目標
- 学校で取り組みたいこと
- 趣味や好きなこと
通信制高校の入学試験で実施される面接には、生徒と学校の相性を見る目的もあります。そのため、背伸びしたり、本心とは異なる考えを述べたりするのではなく、自分が思ったことを正直に話しましょう。
面接では、受け答えをするときの態度も見ています。イライラしたり、ふてくされたような態度で答えたりすることはやめましょう。
想定される質問に対する回答を考えておくとよいでしょう。回答を用意し覚えておくことで、面接で質問された際にあわてず落ち着いて答えられます。
家族に先生役をお願いして面接のシミュレーションをしておくと、当日の流れがイメージしやすくなり、落ち着いて面接に臨めます。
また、面接当日は身だしなみに注意し、清潔感のある服装を意識しましょう。
作文
通信制高校の作文課題では、下記のようなテーマが出題されます。
- 中学校での思い出
- うれしかったことや、がんばったこと
- 将来の夢
作文では文章能力や日本語能力の有無ではなく、一生懸命取り組もうとしたかどうかといった、課題に対する姿勢が見られることが多いです。
作文試験は、当日までどのようなテーマで書くかわからない場合もあります。そのため、さまざまなテーマを想定して、書く練習をしておくとよいでしょう。
作文と面接で似たような質問やテーマが出題されることもあります。矛盾が生じないように一貫した回答ができるようにしておきましょう。
学校によっては、作文を自宅で書いて郵送する場合もあります。自宅で書く場合は、初めにシャーペンなどで下書きしてからボールペンで清書して提出しましょう。余裕があれば、下書きした状態で家族やほかの人に読んでもらうとよいでしょう。
学科試験
通信制高校の入学試験では、まれに学科試験問題が出題されることがあります。ただし難易度は低く、学力の有無を見るのではなく、生徒に現在どれくらいの学力が備わっているかを見るために実施される場合がほとんどです。
学科試験だけで合否判定されることはほぼありませんが、不安があれば「中学の教科書を復習する」「過去問を解く」などの対策をしておきましょう。
通信制高校の受験で落ちるケース
通信制高校の入学試験は、確実に合格して入学できるとは限りません。さまざまな理由から、まれに不合格となり入学できないこともあります。
通信制高校の受験で落ちる理由として、下記3つの理由があげられます。
- 学校との相性が合わないと判断された
- 定員がオーバーした
学校との相性が合わないと判断された
通信制高校の入学試験で面接を受けた際、「本校とは相性が合わないのでは?本人のためにならないのでは?」と判断され、不合格になることがあります。
しかし、受験した学校ではなくほかの高校のほうが、生徒自身のためになるという前向きな理由が多いため、深く考えすぎる必要はありません。
面接における不合格の理由は、生徒と学校との相性のほか、面接時の素行が悪かったり態度に問題があったりする場合も挙げられます。
定員がオーバーした
入学希望者が募集人数よりも多く、定員オーバーになることがあります。
定員を超えた場合は、出願が締め切られることもあるでしょう。昨今では、通信制高校への入学希望者が増えており、定員オーバーする可能性は十分あります。希望するキャンパスで受け入れできない場合もあるため、早めに学校に相談してください。
志望校が決まった場合は、早めに出願したほうがよいでしょう。
まとめ
通信制高校も入学するには受験が必須です。入学試験は主に面接や作文で、まれに学科試験が実施されるケースもあります。受験対策としては、想定される質問に対する回答を事前に考えたり、作文の練習をしたりするとよいでしょう。
通信制高校の入学試験の難易度は低く、学習意欲のある生徒なら合格できます。しかし、学習意欲に欠けていたり、素行に問題があったりする場合は不合格になる可能性もあります。また、定員オーバーになることもあるため、早めに出願しましょう。
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