不登校の支援先や団体、施設を紹介!支援を受けるメリットも解説
公開日:2021年12月27日 更新日:2023年10月04日
不登校への支援は単に「再び登校できるようになるためのサポート」だけではありません。子供が進路を主体的に考え、社会的な自立を目指せるように支援することが基本的な目的です。 そこで本記事では、不登校の子供が利用できる公的な支援機関や相談機関、民間団体、民間施設を詳しく紹介します。
不登校に対する支援とは?
不登校に対する支援とは、子供が再び登校できるよう多角的にサポートしていくことを指します。不登校はさまざまな状況や環境、精神状態から引き起こされることであり、子供が自分の心身を守るための自己防衛のひとつです。
そのため、子供の不登校を解消させるには、保護者や学校、関連機関などが連携・サポートするなどの配慮が必要です。また、学校や関連機関は子供へのサポートだけでなく、保護者にかかる負担も軽減していかなければなりません。
不登校問題が社会的に注目を浴びる中で、子供や保護者への不登校支援を行っている公的機関や民間団体が増えています。
不登校の子供を支援する4つの公的機関
不登校の子供を支援することを目的とした公的機関は多く設立されています。 機関によってはスクールカウンセラーや心理士などの専門スタッフが配置されていることもあるため、子供の状況を見ながら相談先を決めると良いでしょう。 ここでは不登校の子供を支援する各公的機関の特徴をみていきましょう。
不登校の子供を支援する公的機関は次の4つです。
不登校特例校
文部科学大臣が指定する、不登校の生徒に配慮した教育課程を編成・実施している学校で、全国24か所に設置されています。始業時間を遅らせたり個別指導を行ったりと、生徒1人ひとりに合わせた支援を実施。
教育支援センター(適応指導教室)
教育委員会が設置・運営する、不登校児童・生徒の学校復帰に向けた指導・支援を行う施設。生活習慣を改善するための相談や指導、無償の学習会などを行っています。
保健所・精神保健福祉センター
都道府県や市区町村が設置する施設。不登校やいじめなどを相談できる窓口を設置しています。面談だけでなく、電話でも相談できるケースがあります。
※自治体によって名称や内容が異なります。
教育相談所
都道府県や市区町村が設置する施設。子供に関する教育・養育上のあらゆる悩みを相談できる総合相談窓口です。相談方法は各自治体により異なります。
不登校が社会的に注目を浴びている中で、不登校の子供を支援することを目的として公的機関も多く設立されています。 機関によってはスクールカウンセラーや心理士などの専門スタッフが配置されている場合もあるため、子供の状況を見ながら相談先を決めると良いでしょう。 ここでは不登校の子供を支援する各公的機関の特徴をみていきましょう。
不登校の子供を支援する民間機関やサービス
不登校に対するサポートは、公的機関以外にも、フリースクールや不登校カウンセラーなどを利用してサポートを受ける方法があります。ここでは、不登校に対するサポートが受けられる民間機関やサービスにはどのようなものがあるのか見ていきましょう。
1.フリースクール
フリースクールは個人や団体が運営している民間の機関です。そのため、国からのサポートや支援は受けていません。
個人や団体の理念や考え方も運営に大きく反映されるため、フリースクールごとに目標や特色が大きく異なります。民間の機関ですが地域の学校と連携することも多く、フリースクールを経て学校復帰を果たした事例も多いです。
学費が毎月数万円程度かかりますが、自治体によっては、フリースクールに通う生徒の保護者を対象にした補助金制度を設けているところもあるので、お住まいの自治体の窓口や公式サイトなどで確認してみましょう。フリースクールについてもっと知りたいという場合は、以下のページもぜひ参照してみてください。
>>フリースクールってどんなところ? 学校との違いや学べる内容、費用をわかりやすく解説2.不登校カウンセラー
不登校カウンセラーは、不登校になっている子供や保護者の相談を受ける人のことを言います。精神科医などのメンタル不調に関する専門資格を持った人がカウンセラーとなり、相談に乗ってもらえるのが特徴です。
カウンセラーへの相談はプライバシーが厳守されているので、安心して相談できます。カウンセリング料金の相場は1回1万円程度です。まずは3~4回ほどカウンセリングを受けたあとに、様子を見てから継続か終了を判断するのが良いでしょう。
3.不登校の親の会
不登校の親の会は、子供の不登校に向き合っている保護者が自発的に作った団体です。子供の不登校に対し、保護者の心の準備が追いつかない場合も多く、動揺したり「子供の将来は大丈夫なのか」と不安に感じたりします。
しかし、子供の不登校に向き合うためには、保護者が落ち着いて子供と接しなければなりません。子供の不登校という課題を抱えた保護者と話を共有することで、心を軽くできるでしょう。
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不登校の子供が支援を受ける3つのメリット
不登校になっている子供が自分に嫌悪感を持ってしまうと、自信を失い、閉じこもってしまう可能性もあります。また、自己学習だけでは学校復帰をしても、勉強についていけないという事態にもなりかねません。
不登校支援を受ければ新しい居場所を作れるだけでなく、学習やメンタルのフォローを受けられます。子供の自信を取り戻しながら、学校復帰の後押しが可能です。ここでは、不登校の子供が支援を受けるメリットに関する内容を詳しく紹介します。
不登校の子供が支援を受けるメリットのうち、代表的なものは次の3つです。
- 学校や家庭以外に居場所を作れる
- 学習やメンタルへのフォローが受けられる
- 学校に行かずとも学習できる
それぞれのメリットについて、以下で詳しく解説します。
1.学校や家庭以外に居場所を作れる
学校や家庭以外に子供が自分の居場所を作れる点が、支援を受ける大きなメリットの1つです。不登校になる子供は、「学校に行けない自分はダメだ」と自分を責めてしまうことがあるでしょう。
しかし、学校や家庭以外の人と関わりを持つことで、「不登校なのは自分だけのせいじゃない」「自分らしく生きていけば良い」という安心感を得られます。また学校や家庭以外に自分を受け入れてくれる居場所が作ることで、自分の存在が認められていると感じ、結果として自信を取り戻すきっかけにつながります。
2.学習やメンタルへのフォローが受けられる
学習やメンタルに対するフォローを受けられる点も、支援を受けるメリットです。学校の授業は、進級するごとに学習レベルが上がります。さらに一律に授業が進んでいくため、不登校の期間にはどうしても学習に遅れが生じます。
フリースクールを活用すれば、勉強を教えるプロによる学習サポートを受けることが可能です。カウンセラーを常置しているフリースクールもあります。
家庭では聞き出せない不安や悩みも聞き出してくれるケースもあり、メンタルのフォローが受けられる点も大きなメリットです。
3.学校に行かずとも学習できる
現在通っている学校に登校しなくても学習が行える点も、支援を受ける大きなメリットといえます。不登校になると、どうしても学習に遅れが生じがちです。
学年が低ければ教科書と照らし合わしながらでも理解できるケースもあります。しかし進級して学習レベルが上がると、自己学習だけでは追いつけなくなる可能性が高いでしょう。
フリースクールであれば、少人数授業や個別学習サポートを行ってくれるため、学校に通えなくても子供の状態に合わせた学習が可能です。また、学校復帰したあとも、授業についていきやすくなるでしょう。
不登校の支援を最大限に活かせる環境をつくろう
不登校が社会的に注目を浴びる中で支援の幅は広がりつつあり、公的機関や民間団体・施設など支援の種類はさまざまです。
各機関や団体、施設によって特色やサポート内容が異なります。したがって不登校の支援を最大限活かすには、子供の状況にあった場所を選ぶ必要があります。さまざまな選択肢をもって子供が不登校の支援を最大限に活かせる環境を作り、希望進路の実現を目指しましょう。
不登校に対するサポートは、通信制高校に通いながら受けることもできます。通信制高校の中には、不登校に対するサポートが手厚いところがあり、教育委員会への相談や専門家からのアドバイスをもとに、学校独自で不登校の生徒に関わる学習評価のガイドラインを作っています。以下の記事では、不登校の子供へのサポートが手厚い通信制高校を紹介しているので、ぜひチェックしてみてください。